セカンド・サマー・オブ・ラブ(The Second Summer Of Love)
セカンド・サマー・オブ・ラブ(The Second Summer Of Love)は、80年代後半にイギリスで起きたダンス・ミュージックのムーブメントです。その名称は、60年代後半のヒッピー・ムーブメント「サマー・オブ・ラブ」に由来しており、その再来を意味しています。
このムーブメントは、スペインのイビサ島でプレイされていたシカゴ・ハウスの楽曲や他のジャンルの曲を越えてプレイする自由なDJスタイルが発祥とされています。イギリスのDJたちがイビサ島での体験を持ち帰り、世界的なムーブメントの発端となりました。特にマンチェスターやリバプールなどの北部の工業都市で盛り上がり、ロンドンではなく北部が中心地となりました。
音楽のスタイルとしては、アシッド・ハウスと呼ばれるものが主流でした。大規模なレイヴが各地で開催され、非商業的な手作りのレイヴが主体となりました。このムーブメントは、DIY精神と開放感、連帯感が特徴であり、従来のイギリスの音楽シーンとは異なる衝撃を与えました。また、この時期には多幸系ドラッグであるエクスタシーや、大音量で流れる無名のDJの音楽に狂乱し踊り明かすという新しい生活スタイルが形成されました。
セカンド・サマー・オブ・ラブは、ヨーロッパ大陸にも広がり、フランスやベルギー、ドイツなどでも同様のレイヴが開催されるようになりました。また、このムーブメントはロックシーンにも影響を与え、マンチェスターでのマッドチェスター・ムーブメントの一因となりました。
しかし、政府や警察の圧力によりレイヴへの規制が強まり、商業的なレイヴが主流となりました。その結果、セカンド・サマー・オブ・ラブの本来の精神は失われ、下火となっていきました。しかし、その精神はクラブ文化に引き継がれ、現在のクラブ・ミュージックにも影響を与えています。非商業志向やDIY志向は、現在のクラブ・ミュージックの特徴として残っており、フリー・パーティーなど非合法のイベントも盛んに行われています。
セカンド・サマー・オブ・ラブは、音楽の歴史において重要な節目となり、その影響は現在でも感じられます。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。