保坂学のだらだらブログ

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夏は地獄の空冷ポルシェ 保坂兄弟のポルシェ911


こんにちは

株式会社PLUSの保坂学です。




またもや夏がやってきて、弟の耕司と暑過ぎてポルシェ乗れないねと話になりました。


エアコンのトラブルは空冷ポルシェ乗りの一番の悩みですが、その中でもポルシェ930のクーラーは効かなくて有名です。





現代の新型ポルシェにはない問題なんですが、新車当時1千万以上する車なのに、昔の空冷ポルシェって、エアコンが効かないんです。


毎年エアコンガスを継ぎ足しても、全く意味なしで、夏は暑過ぎて昼間に乗れないです。


現状だとエアコンと言うより、扇風機より弱い送風機が付いている感覚です。


そもそも、930の初期型のポルシェは設計した時にエアコンは、後付けオプションだったんです。


そのため、後方のリアエンジンから長いホースを引っ張り、前方まで持ってきて、無理やり付けている感じです。


僕の個人的な感想では、昔の後付クーラーとまったく同じ仕組みですから、電装いじれる空調屋さんなら簡単に直せて、ちゃんと整備したクーラーは絶対に使えるはずですが、空調屋さんもポルシェと聞いただけで、対応してくれないところが多くて、まだ直せていません。



ポルシェ930のエアコンの問題点はこれらだと思います。


・時折冷気が出なくなり、送風や温風になり不安定


これはエアコンコントロールユニットの問題か、冷風温風の切り替えユニットの故障。


・エアコンガスチャージができない。


これは、配管のつまりやコンプレッサー、クラッチプーリー故障です。


配管つまりの場合は、エキスパンションバルブやリキッドタンクの交換、コンプレッサーの場合はオーバーホールか交換、マグネットクラッチは交換が必要です。


・エアコンガスを入れてもすぐに効かなくなる。


これは、ガス漏れが原因の場合が多く、その個所を捜して修理していくしかありません。


まずは目視にて点検できる個所をすべて点検し、問題がなければ、エバポレーターの交換です。


・ガスが入っているのに冷えが悪い。


コンデンサーブロアの不動によりガス圧が上がりすぎたり、温度センサーの不良によってエバポレーターが凍結したり、配管やエキスパンションバルブ、リキッドタンクが詰まっているのだと思います。



僕のトラブルは、どこから直そうと色々考えていた時に、ブロアファンやモーターから、白い煙が室内のファンから吹き出していたので、新しいのに交換しました。



911 1974〜1989年のクーラーの仕組みを復習しようと思います。


ポルシェのクーラーは、国産とほぼ同じ構造ですが、配管の長さとラバー素材が、ポルシェACの弱点になっていて、964までは同じような構造です。




冷媒のフロンをコンプレッサーが圧縮します。

圧縮されて高温になった冷媒を、コンデンサーが冷やすことで、冷媒が液体になります。


液体になった冷媒は、レシーバー・ドライヤーで水分や不純物が取り除かれます。


エキスパンション・バルブから、液体の冷媒をエバポレーターに噴射し、冷媒が気化されて、エバポレーターが冷たくなります。


そこへ室内の空気をファンでおくって、空気を冷やし、室内に送風して温度が下がります。


気化した冷媒は、再びコンプレッサーで圧縮して、以下の繰り返しで、温度が冷えてきます。



930はこれらの部品の間の配管は、すべてホースです。


964以降ですと、基本的に金属配管なんですが、930は昔の後付クーラーと同じ仕組みで、ホースがゴム製品ですので、金属のカシメの部分から漏れることもあるようです。


もれたら金属の部分だけ残して、新品のゴムホースでホースを作り直してくれる業者があるそうなので調べてみる価値あります。




930エバポレーターは、銅配管にアルミのフィンという贅沢な作りみたいです。


最近の車はコストダウンだとおもいますが、アルミ配管で、アルミだと結露でだんだん腐食して穴が開くことがありますが、銅配管は心配いりません。


これは超高級で機能性も問題ないので、使えるならそのままが良いと思います。




コンプレッサーは30年前のままなら、オーバーホール、もしくはサンデン製に交換するといいみたいです。


オーバーホールの際には、ついでにレシーバー ドライヤーも交換した方がよいです。


詰まっていたり、中の除湿剤が古くなっている可能性が高いので、安いから交換しましょう。




930クーラーの最大の弱点はコンデンサーなんです。




フロントに電動の小さなコンデンサーがついていて、リアにも小さなコンデンサーがついていますが、国産車のようにファンがついていません。


これは、エンジンを冷やすファンの吸気で、ついでに冷やす仕組みなので、気温が高すぎると、あまり冷媒が冷えません。


冷媒が冷えないので、冷媒が液体にならないため、エキスパンションバルブが液体のフロンを噴出できないので、効かなくなるのです。



リアフェンダーに電動ファン付コンデンサーを、移設して、冷媒を冷やす仕組みで、かなり効くようなるそうで、そのキットが海外で売っています。




SingerRUFに使用されている電動コンプレッサーのクーラーシステム


https://youtu.be/ADuk4yl-X30


Classic Retrofit

https://www.classicretrofit.com


電動なので、エンジンに負荷をかけないから、かなり欲しいけど、高価なので悩みます。



まあ、真夏は空冷エンジンにとって、厳しい環境ですので、運転を我慢するのがいちばん良いですよね。